知ってるようで知らない漢方薬のQ&A
FAQ
漢方薬とは中国医学から生まれ、長い歴史の中で日本で独自に発展した漢方医学に基づいて処方される医薬品のことです。お客様の症状や体質、また生活のスタイルに合わせながら薬剤師が様々な漢方薬を調合・処方いたします。どんな味なのか、どれくらいで効果が現れるのかなど漢方薬について多くの方が疑問に思われる点について解説いたしました。奥深い漢方の世界を覗いてみましょう。
漢方の疑問・よくあるご質問
- 漢方薬でよく聞く「証」とは何ですか?
- 「証(しょう)」とは漢方独自の用語ですが、病人が示す様々な状態(=特徴)のことを意味します。
また、その人に備わっているもともとの体質や体力などを指す場合、あるいは抵抗力を指す場合もございます。
いずれにしても漢方では薬(処方)を選択する場合の重要な目標となるもので、4つの大きな診断法(望診(ぼうしん)、聞診(ぶんしん)、問診(もんし ん)、切診(せっしん))があり、更に「陰陽(いんよう)」「虚実(きょじつ)」「表裏(ひょうり)」「寒熱(かんねつ)」「気血水(きけつすい)」など の独特の概念で証(しょう)を決定するので、西洋医学のような病名がなくても処方が選択可能です。また、同じ病名でも違う処方になることもございます。
- 漢方薬はどれくらいで効果が現れますか?長く飲まないと効かないのでしょうか?
- 例えば風邪のような急性疾患では「証(しょう)」が合えば服用後数十分で効果が現れます。
慢性疾患の場合は、一般に有害作用の有無は2週間以内にチェックし、効果判定は1ヶ月程度を目安に実施します。全く変化がなければ、この時点でもう一度処方を検討します。
- 漢方薬は高額なのでは?続けられるか心配です…
- 漢方薬には、いくつかの剤形があり、使用されている生薬の種類によって値段は様々です。
当局では一日あたり
・煎じ薬:400円~
・エキス顆粒剤・散剤:300円~
・錠剤・丸剤:200円~
にてご用意しております。
その他、各種メーカー製剤、健康食品や養生品を取り扱っており、値段も様々です。
効果を得るため無理なく続けられるように、予算等、ご相談くださいませ。
- 漢方薬にも副作用はありますか?
- 西洋薬と比較するととても少ないですが、副作用はあります。
むくみ、胃もたれ、軽い発疹のような場合が多いですが、食物アレルギーがあるように、天然物だから安全とも限らないためです。
いつもと違う異常を感じたら服用を中止し、すぐに医師またはお買い求めの薬局・薬店にご相談くださいませ。
- 一度の来局で何日分処方していただけますか?
- お客様の症状はもちろんの事、生活環境などに合わせお出しいたします。
1ヶ月分でもお出しできる場合はございますので、ご相談下さいませ。
- 薬の味が気になるのですが…
- 処方する前に、試飲していただけます。
にがい、不味い、どうしてもダメなものがあると思われがちですが、症状により体にとって必要なものをお出ししていますので、本当にダメとおっしゃる方はほとんどいらっしゃいません。
- 漢方薬をオブラートに包んで服用してもいいですか?
- 漢方薬は本来、その香りや味も重要な薬効の一つと考えられています。
しかし、どうしても苦手な人がいらっしゃるのも事実です。
止むを得ない場合はオブラートに包んで服用しても大丈夫です。胃の中で早く溶けるように少し多めの白湯(さゆ)を一緒にお飲みください。
- 漢方薬はよく食前、食間の服用と言われますが、食後に服用できませんか?
- 漢方薬は一般的には、食前(食事の30分~1時間前)や食間(食事と食事の間の事で食後2時間位)に服用します。
用法・用量の記載を確かめて、その指示に従ってお飲みください。何らかの理由で、どうしても食前や食間に飲めない場合は、ご相談くださいませ。
- 妊娠の可能性があるのですが、漢方薬なら安心でしょうか?
- 漢方薬が胎児に影響を及ぼしたという報告は現在のところございません。但し、妊娠が判明した時点で、その後の服用についてはご相談くださいませ。
- 事前に調合を依頼できますか?
- ご来局前に調合をしておく事はできます。お気軽にご相談下さいませ。
- 薬を送ってもらう事はできますか?
- 電話やSkypeでの漢方相談をさせていただき、症状に合った薬に関しましては、お送りする事も可能です。
- 家族(知人)と同じ症状(病気)なので、貰って服用していいですか?
- 西洋医学の診断で同じ病名がついても、漢方医学的な診断が違う場合には使う薬も異なります。自己判断で服用せず、必ず医師または薬局・薬店にご相談くださいませ。
- 漢方薬の効果を高める方法はありますか?
- 漢方薬はおだやかに効くというのが特徴ですが、少しでも早く、効果的に効かせるためには『養生(ようじょう)』も必要となります。
食生活の見直し、規則正しい生活、腹八分目、体を冷やさない、運動をして血行を良くするなどを併せて気を付ければ、体内が活性化して効果も一段と高まります。
その処方にあった具体的な養生法(ようじょうほう)はご相談くださいませ。
- エキス剤と煎じ薬とは?
- よく言われるのはコーヒーに例え、「レギュラーコーヒーとインスタントコーヒー」の違いと考えていただいたら良いかと思います。煎じ薬を濃く(濃縮)し 、乾燥したものがエキス剤と呼ばれます。
エキス剤には服用しやすくしたりする目的で、乳糖類を加えてあります。従って煎じ薬と同等にすると大変な量になります。
病院等で処方されるエキス剤は、煎じ薬の40%~70%の成分だと思います。
40%~70%とは処方によって異なる事、メーカーによっても異なるという事です。
以上のことから、効き目は違うけれども、エキス剤は携帯に便利、かつ服用しやすいという利点はあります。
- 現状の治療、服用している薬などに対するアドバイスはもらえますか?
- 可能な限りさせていただいております。
同時に摂取するとより効果的なものの提案や、食生活のアドバイスなども可能です。